代表的な履修例
履修例10:ヒューマンセキュリティ国際教育コース
(英語での履修科目が多くなりますが、日本語で取得した単位も有効です。)
(1)対象学生
医学部医学科・歯学部歯学科以外の大学を卒業した者
(2)目標進路
公衆衛生領域(本専攻8分野の研究領域)において国際的レベルで活躍できる研究者・指導的人材となる。本修士課程修了後は、教育研究機関、国連や政府の機関、国内外NGO、人道支援団体などに就職する。あるいは博士課程に進学してさらに高度な学術的専門性を修得する。
(3)課題研究の例
健康や保健・医療をキーワードにして、災害医療、人道支援、持続可能な開発計画、国際保健、感染症、高齢者などの分野に関連する幅広い領域から研究テーマをみつける。英語論文を目標とするが、修士論文は日本語でも作成可。
・ 東日本大震災後の南三陸町における病院外の医療ニーズ解析(Prehospital Medical Needs in Minamisanriku Town after the Great East Japan Earthquake)
・ 西ジャワ州における結核の有病率と公的医療機関へのアクセスに関する疫学研究(A Study of the Association between Tuberculosis Prevalence and Travelling Time to Primary Health Facilities in Western Java, Indonesia)
・ シエラレオネのエボラウイルス流行における保健医療従事者院内感染のエージェント型モデルとシミュレーション(Agent-Based Modeling and Simulation of Nosocomial Infection among Healthcare Workers during Ebola Virus Disease Outbreak in Sierra Leone.)
(4)履修科目
科目区分 | 授業科目 | 単位数 | |
必修 | 選択 | ||
共通科目 | 疫学研究デザイン入門 | 1 | |
行動医学入門 | 1 | ||
医療倫理学Ⅰ | 1 | ||
社会医学演習 | 2 | ||
専門科目 | 医療管理学 | 1 | |
環境医学 | 1 | ||
医学統計学入門 | 2 | ||
Health and social resilience for large-scale disaster (巨大災害に対する健康と社会のレジリエンス) |
2 | ||
Human Security and Global Health (ヒューマンセキュリティとグローバルヘルス) |
2 | ||
Exercise on Human Security A (ヒューマンセキュリティ演習A) |
1 | ||
Exercise on Human Security B (ヒューマンセキュリティ演習B) |
1 | ||
Infectious Disease Epidemiology (感染症疫学) | 2 | ||
Health Resilience in Aging Society (高齢化における健康レジリエンス) |
2 | ||
Food Economics(食料経済学) | 2 | ||
実習・特別研究科目 | 論文研究 | 10 | |
計 | 31 |
(5)履修内容の説明
医学部医学科・歯学部歯学科以外の大学を卒業し、看護師や助産師、薬剤師、行政職、教員など社会人を経験したことのある学生、あるいは卒業してすぐの学生の履修例である。ヒューマンセキュリティとは『人間の安全保障』と訳され、Freedom from fear, Freedom from want, Life with dignityという人間の基本的な権利である。医学系研究科と農学研究科、環境科学研究科、国際文化研究科が協力して運営してきた歴史をもち、幅広い専門分野かつ、国際色豊かな学生が英語で自らを取り巻く環境における課題について討論しあいながら学ぶ希少な機会である。
この学生は、全コースの必修6科目(疫学研究デザイン入門、行動医学入門、医療倫理学Ⅰ、医療管理学、環境医学、医学統計学入門)により公衆衛生の素養を学習し、専門科目で巨大災害に対する健康と社会のレジリエンス(英語)と、世界的枠組の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)を含むグローバルヘルス(英語)について学習する。その学生は国際的な医療支援、人道支援に携わることを目指しているので、ヒューマンセキュリティ系の科目を中心に履修する。具体的には、ヒューマンセキュリティ科目の必修項目である演習A, Bと感染症疫学のほかに、選択科目として、高齢化社会における健康レジリエンス(英語)もしくは、農学研究科からヒューマンセキュリティコースに提供される科目であり、栄養に深く関係する食品経済学(英語)を履修する。そのうえで、所属する分野の専任教員の指導のもとで修士論文を作成する。